両親の介護の現実~介護保険を上手に利用!老々介護や介護離職はナンセンス

シニアライフ

介護・・・。
自分にとっては、今年91歳の母親の介護のことであり、自分の介護のことでもある。

ある雑誌の記事に目が留まった。
関東に住むAさん(65)は、介護で自身の生活が破綻した。

Aさんは45歳のとき、「老老介護」の状態だった両親を助けるため、会社を退職した。
Aさんは「あのときは、親の介護で後悔したくない、という思いが強かった。迷いはなかった」と言う。

しかし、その後、父が他界すると、母の認知症が進んだ。そして独身のAさんが、1人で介護することになった。

貯金を全て使い果たし、母の他界後にAさんはホームレスに・・・。
54歳になったAさんは「今思えば、仕事は辞めないほうがよかったと思います。最初に介護について調べて要介護申請していれば、離職は避けられたかもしれない」と述懐している。

これに対し、専門家は「介護離職は絶対にしてはダメです。それは貧乏への入り口です」と強調する。
賛成!私も、考えられる限りの制度を利用して、何とかして離職を避けるべきだ、と思う。

日本全国に親の介護で悩んでいる子ども世代はたくさんいるだろう。

介護のために仕事を辞める
介護のために結婚を諦める。
介護のために離婚する。
介護のために貯金を使い果たす。

こんなことだけは絶対に避けたい。

ところで親の介護については毎日のようにニュースになっている。
最近のニュースだが、介護疲れから85歳の夫の首を絞めて殺害した78歳の妻に裁判所は執行猶予つきの有罪判決を言い渡した、とのこと。

この事件は、50年近くの長い年月を一緒に歩んできた夫婦が、介護疲れという問題で最後は殺人事件にまで発展したもの。

本件の様に「老老介護」が高齢社会の大きな問題になっていることは間違いない。
ネットで調べると、老老介護とは「65歳以上の高齢者が自分と同じ65歳以上の高齢者を介護している状態」のこと。同世代の夫婦の間だけでなく親子や兄弟の間など老老介護は様々な間柄で生じている。

確かに自分の親や配偶者、又は子どもであれば自分で介護したいという気持ちは分かる様な気がする。

しかし、殺人事件に発展するまで頑張らないといけないとは。私にはよく分からない。
皆さんはどう思う?

私は、自分で介護できなければ、介護保険制度をうまく活用するなどして、専門家に介護をお任せしていいと思う。

子どもにあっても親の介護をするかどうかは、自分の家庭の事情で考えればいいだろう。
世間で子どもが親の介護をするのが当然のような風潮があるから、子どもが自分の人生まで諦めなければならなってしまうのだ。

介護ができないならしないでいい!
私は、「親と子どもが心中しなくてもよい。介護施設に頼むべきだ」と思う。

先ほどの介護疲れから夫を殺害した78歳の妻ももっと公助に頼ってみるべきだった。
私は詳しくないが介護保険で使えるものがあったはずだ。

ところで、介護も人によって介助の度合いが違う。
医師の診断次第だが、要介護3以上を取得できれば選択の範囲が広がる。例えば、特別養護老人ホーム(特養)の入居対象者となるのも要介護3以上だし、自宅で家事の世話や介護を受ける。訪問介護(ホームヘルプ)・訪問入浴・訪問看護・訪問リハビリ等のサービスを受けることができる。

何のための介護保険なのか。自分が倒れる前に賢く使おう。

私の知っている人で親を介護している人がいたが、その人は親の認知症が進んでいることを信じていなかった。次第に親の症状がひどくなり、困った状態になった時に相談してきた。その親を専門医の所に連れて行ったところ、アルツハイマー型認知症と診断され、その後、要介護3と認定された。

家族が積極的にならないと医者の方から要介護3です、なんて言ってこない。
当たり前だろう!

認知症の老人を自宅で介護するのは無理だ!
先ほどの例だが、その後、順番待ちであったがグループホームに入所できた。

老々介護で介護疲れからの殺人事件のニュースが目に止まったが、このブログの読者の方にも介護で大変な思いをされている方は多いと思う。

私には介護という言葉はずっと他人事のように聞こえてあまり関心もなかった。しかし、数年前に先ほど話した知人の件があってから、自分の介護のことを考えるようになった。

私は子どもには認知症の兆候があったら施設を探すから介護なんて絶対しなくていい、と言っている。だからこそ子どもが親の介護をしないという選択には賛成だ。

まとめ

最近、ニュースなどで老人の交通事故のことをよく目にする。そして、世間は、老人は運転免許証を返納するべきだ、のような論調で迫ってくる。しかし、私は運転免許証の自主返納には大反対だ。

そもそも地方に住んでいるので車は必需品だ。さらに、年齢で一律に返納を迫ることは乱暴だ。人それぞれで老化の進み具合には個人差があるので。

もちろん、私も認知症の兆候があれば即返納するが、全て自分で決める。
できれば死ぬ時期も・・・。
それが最高の人生の終わり方かも。

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