カリブ海赴任時代、私たち家族(娘3人)、キャスの家族、日本人家族2組(どちらも娘1人)。
総勢10人ほどのにぎやかな一行で、東海岸のスワンプへ小旅行に出かけた。

スワンプ
湿地帯の入口は静かで、空気はしっとり重い。
そこに小舟が一艘、ゆらりと浮かんでいた。

小舟
小舟で静かに進む ― マナティに会えるか?
ガイドが指を口に当てて言う。
ガイド:「マナティはとても臆病。静かにしないと見えないよ」
その瞬間、子ども6人が一斉に固まった。
キャス:「みんな、しゃべっちゃダメだよ!」
日本人家族の娘A:「えっ…じゃあ笑うのもダメ?」
私の末娘:「ダメ!鼻だけ出してくるんだから、逃げちゃうよ!」
日本人家族の娘B:「鼻だけって…どういうこと?」
長女:「水面にピョコって出るんだよ。かわいいんだよ」
次女:「でも静かにしないと見えないんだって」
舟はゆっくりと湿地帯を進む。
水面は鏡のように静かで、鳥の声だけが響く。
大人たちは景色に感動しつつも、
子どもたちが“静かにしようと必死に口を押さえている姿”に思わず笑いそうになる。

スワンプ
小島の展望台 ― 見晴らしは最高
小舟で渡った先には小さな島があり、展望台があった。
階段を上ると、湿地帯と海が一望できる。
風が気持ちよく、子どもたちもようやく緊張から解放された。
キャス:「マナティ、どこにいるんだろうね?」
日本人家族の娘A:「鼻だけでも見たい!」
末娘:「見えたら今日の勝ちだよね!」
次女:「勝ちって何の勝ち?」
長女:「マナティの鼻を見た人が勝ち!」
日本人家族の娘B:「じゃあ帰りもちゃんと見る!」
展望台ではマナティは見えなかったが、
その静けさと景色は、まるで時間が止まったようだった。
帰りの車で大騒ぎ ― “マナティの鼻見た!”
帰り道、車が湿地帯沿いを走っていると、突然後部座席から叫び声が上がった。
キャス:「今!見えた!鼻が出た!」
末娘:「ほんとに!? ピョコって出たよね!」
日本人家族の娘A:「絶対マナティだよ!」
次女:「私も見た!黒い鼻だった!」
長女:「えっ、私だけ見てないんだけど!」
日本人家族の娘B:「もう一回出てこないかな!」
後部座席は大騒ぎ。
大人たちは「本当に見えたのか?」と半信半疑だったが、
子どもたちの興奮ぶりを見ると、もうそれで十分だった。
キャス:「今日の一番はマナティの鼻だね!」
末娘:「うん!鼻だけでも見れてよかった!」
その“鼻だけの目撃談”は、帰宅後もずっと語り継がれることになった。

まとめ:マナティは姿を見せなくても、最高の思い出
マナティの全身は見られなかった。
でも、湿地帯の静けさ、小舟の揺れ、展望台の景色、そして子どもたちの大騒ぎ。
それら全部が、忘れられないスワンプ旅行の一部になった。


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