朝の光が差し込む台所で、妻が淹れてくれたコーヒーの湯気が静かに立ちのぼる。
67歳になった今も、私はフルタイムで働き、同時に年金を受け取りながら暮らしている。
「働く場所がある」ということは、思っていた以上に心を支えてくれる。
毎朝向かう職場は、単なる仕事場ではなく、社会とつながる“自分の居場所”だ。
もちろん、雇用は一年更新。
来年も働けるかどうかは誰にも分からない。
それでも、できることなら75歳までは現役でいたい。
働くことで得られる収入は、老後の不安をそっと和らげてくれるし、
何より、外に出て人と関わる時間が、私の生きがいになっている。
夫婦で楽しむ、年に3〜4回の小さな冒険
土日や有休休暇を使って、妻と年に3〜4回の旅行を楽しむのが、私たち夫婦のささやかな贅沢だ。
最近はスマートEXや駅ネットを使いこなし、
新幹線での旅がすっかりお気に入りになった。

昨年訪れた会津若松と大内宿の旅は、今でも鮮やかに思い出される。
大雪の翌日、街も山も一面が白く染まり、静けさの中に凛とした美しさが広がっていた。
雪をまとった会津若松城はまるで時を止めたように佇み、
大内宿の茅葺き屋根は深い雪に包まれて、昔話の世界へ迷い込んだような気分にさせてくれた。
あの雪景色の中を夫婦で歩いた時間は、今も心に温かく残っている。
子どもたちは遠方で独立し、夫婦ふたりの時間がゆっくり流れる
子どもたち3人はすでに成人し、それぞれ遠方で暮らしている。
家の中は静かになったけれど、
その静けさを寂しさではなく「自由な時間」として受け止められるようになった。
妻は同じ67歳。専業主婦として家庭を支えてくれた。
今はふたりで過ごす時間が増え、
旅行の計画を立てるときの会話が、以前よりずっと楽しい。
不安と希望のあいだで、今日を丁寧に生きる
一年更新の職場。
いつまで働けるか分からないという不安は、確かに胸のどこかにある。
けれど、働けるうちは働き、行けるうちは旅に出る。
そんな“今できること”を積み重ねることで、
人生の後半戦は思っていたよりも豊かになるのだと感じている。
新幹線の車窓から流れる景色を眺めながら、
妻と「次はどこへ行こうか」と話す時間。
そのひとときが、何よりの幸せだ。
これからも、夫婦でゆっくり旅を続けていく
人生は、若い頃のように大きく動くことは少なくなった。
けれど、心が動く瞬間は、今も確かにある。
新しい土地を歩き、知らない景色に出会い、
そのすべてを妻と共有できることが、私たちの“今の幸せ”だ。
67歳。
まだまだ旅は続く。
そして、働ける限り働きながら、
夫婦で季節ごとの小さな冒険を重ねていきたい。


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