はじめに
定年を迎えた後も、健康で働く意欲がある限り、再雇用制度を利用して働き続ける方は少なくありません。
しかし、再雇用後の給与水準は現役時代に比べて大きく下がるのが現実です。
特に、4割前後の減収となるケースも多く、生活費や住宅ローン、医療費といった支出に影響を及ぼすことがあります。
そこで今回は、定年後に収入が減った場合に利用できる手当や給付金について、わかりやすく解説していきます。
1.高年齢雇用継続給付とは?
定年後に再雇用され、給与が一定以上減少した場合、「高年齢雇用継続給付」を受け取ることができます。
【概要】
・雇用保険に加入していた60歳以上65歳未満の労働者が対象。
・60歳到達時の賃金と比較して、賃金が75%未満に低下している場合に支給。
・給付額は賃金の最大15%程度。
【具体例】
たとえば、60歳時点で月収30万円だった方が、再雇用後に月収20万円になった場合、要件を満たす可能性があります。
【注意点】
・申請には事業主を通じて手続きが必要。
・雇用保険の被保険者であることが前提です。
2.在職老齢年金も忘れずにチェック
「在職老齢年金」とは、年金を受給しながら働く人に対する仕組みですが、収入によって年金の支給額が調整される制度です。
【ポイント】
・60歳以上65歳未満は「特別支給の老齢厚生年金」が対象。
・賃金と年金の合計が一定額を超えると年金が減額される。
・逆に、収入が大幅に下がった場合は、減額幅が縮小される可能性も。
つまり、再雇用で給与が減ったことによって、結果的に受け取れる年金額が増えることもあり得ます。年金機構に相談することをおすすめします。
3.住民税・所得税の軽減
収入が減少すれば、税負担も軽くなります。特に住民税や所得税は前年の収入をもとに計算されるため、翌年以降は税額が下がるケースが多いです。
【ポイント】
・税負担が減ることで、手取り収入の減少幅が多少緩和される。
・配偶者控除や医療費控除なども見直すことで、さらに節税が可能。
4.その他の支援制度もチェック
再雇用後、思った以上に生活が厳しいと感じる場合は、以下のような制度も検討しましょう。
・生活福祉資金貸付制度(低所得者向けの無利子または低利子の貸付)
・社会福祉協議会の支援事業(地域により緊急小口資金など)
・住宅確保給付金(家賃の支援、条件あり)
どれも一定の要件を満たす必要がありますが、必要に応じて活用することで家計の負担を減らせます。
まとめ
定年後の再雇用で収入が減ったとしても、「高年齢雇用継続給付」や「在職老齢年金」などの支援制度をうまく活用すれば、家計へのダメージを和らげることができます。
また、税金や社会保険料の見直し、地域の支援制度も忘れずにチェックしましょう。
収入減少に備えて、事前に情報を集め、適切な対策を講じることが、定年後の安心した生活につながります。
ぜひ、今のうちから準備を始めましょう!
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