はじめに
最近の調査によると、生活保護を受けている世帯のうち高齢者世帯は実に54.1%を占めており、年齢を重ねるごとに経済的な困窮が顕在化していることがわかります。さらに、50代以上の二人以上世帯のうち、金融資産を保有していない割合は50代で17.4%、60代で22%、70歳以上では28.6%と、無資産世帯は決して少数派ではありません。
では、もし「老後資金がほとんどない」という状態で老後を迎えてしまった場合、一体どうすればいいのでしょうか?今回は、そんなときに考えられる現実的な対策を5つご紹介します。
1. 生活保護の申請を検討する
老後に十分な収入や資産がなく、日々の生活に困窮している場合は、生活保護の利用をためらう必要はありません。高齢者世帯の多くが既に利用しており、制度上、資産がほぼ無く、扶養義務者の援助が受けられない場合には受給が可能です。
ポイントは「制度を知ること」。まずはお住まいの自治体の福祉事務所に相談してみましょう。
2. 公的年金・各種支援制度を最大限活用する
老後の頼みの綱は、やはり公的年金です。年金が少ないと感じていても、「年金生活者支援給付金」などの低年金者向けの支援制度を利用できる可能性があります。また、医療費負担が軽減される「高額療養費制度」や、自治体独自の高齢者向け助成制度も見逃せません。
自分が使える制度が何かを調べ、情報を集めておくことが生きやすさに直結します。
3. 住まいの確保と見直しをする
家賃が大きな負担となっている場合、住まいの見直しが老後生活のカギになります。市営・県営住宅などの公営住宅や、収入に応じて家賃が決まる特定優良賃貸住宅制度の活用も視野に入れてみてください。
また、持ち家であれば「リバースモーゲージ」という、自宅を担保に生活資金を借りる制度もあります。
4. シニア向けの仕事にチャレンジ
老後もできる範囲で働くことは、生活資金だけでなく生きがいや社会とのつながりにもつながります。最近では、65歳以上のシニア向け求人や、短時間・軽作業の仕事が増えています。
「シルバー人材センター」など自治体が運営する就労支援窓口を利用すれば、無理のない範囲で収入を得るチャンスが広がります。
5. 地域とのつながりを活用する
お金がないときほど大切なのが、地域社会とのつながりです。地域の福祉施設や、NPO、ボランティア団体などでは、無料の食事提供、生活相談、交流の場を設けているところも少なくありません。
孤立を避けることが、安心した老後への第一歩です。自治体の社会福祉協議会や地域包括支援センターに一度足を運んでみましょう。
最後に:老後は「お金だけ」ではない
もちろん、老後資金が潤沢にあるに越したことはありません。しかし、「ないからこそ使える制度」「ないからこそできる選択肢」も存在します。大切なのは、現状を受け入れ、未来を諦めないこと。情報を味方につけて、少しずつでも「安心できる老後」に近づいていきましょう。
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