はじめに
定年後の働き方にはいくつかの選択肢がありますが、その中でも多くの人が選ぶのが「継続雇用制度(再雇用)」です。しかし、継続雇用では年収が大幅に下がるケースが一般的であり、特に年収300万円未満になる人も少なくありません。では、再就職を選んだ場合と比べて、どちらの選択肢がより高い年収を得られるのでしょうか?
継続雇用の年収水準
独立行政法人労働政策研究・研修機構の「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」によると、60代前半の継続雇用者の平均年収は374万7000円であり、4人に1人は年収300万円未満となっています。これは、定年前の給与水準と比較すると大幅な減額となるケースが多いです。
継続雇用では、給与が下がる理由として以下の点が挙げられます。
①定年前よりも責任の少ない業務内容になる
②給与体系が見直される(嘱託社員や契約社員としての雇用)
③企業の人件費削減の影響
再就職の年収水準
一方で、定年後に再就職する場合、職種や業界によって年収に大きな差が出ます。特に以下のような条件がそろうと、年収300万円以上を得る可能性が高まります。
①専門スキル・資格を活かす
例えば、
・コンサルタント
・IT関連(プログラマー、システムエンジニア)
・医療・介護関連(看護師、ケアマネージャー)
・中小企業診断士などのコンサル業務
これらの仕事は比較的高収入が期待でき、経験や資格がある人は有利です。
②人脈を活かした再就職
長年の経験や人脈を活かして、
・顧問やアドバイザーとしての仕事
・フリーランスや個人事業主としての活動
といった形で高収入を得ることも可能です。
③パート・アルバイトの場合
一方で、特別なスキルがなく、一般的なパートやアルバイトとして働く場合は、
・コンビニやスーパーのレジ係
・清掃業務
・事務補助
などが多く、時給制となるため、フルタイムでも年収300万円に届かないことがほとんどです。
継続雇用と再就職の比較
項目→継続雇用~再就職
・平均年収→約375万円~職種による(300万円以上も可能)
・雇用の安定性→高い~低い(試用期間や契約更新あり)
・仕事内容→軽減されることが多い~新しい環境・業務の可能性
・収入の上昇余地→ほぼなし~スキル次第で増加の可能性
副業で不足分を補う方法
年収300万円未満の継続雇用や再就職でも、副業を活用することで不足分を補うことができます。以下は、シニアに適した副業と期待できる年収の目安です。
①オンライン講師・家庭教師
・内容:英語、数学、プログラミングなどの指導
・期待年収:月3〜10万円(年間36〜120万円)
②ライティング・ブログ運営
・内容:記事執筆、ブログ広告収入
・期待年収:月3〜7万円(年間36〜84万円)
③配送・宅配(UberEats・Amazon Flexなど)
・内容:軽貨物配送、フードデリバリー
・期待年収:月5〜15万円(年間60〜180万円)
④民泊・シェアリングエコノミー
・内容:空き部屋貸し、カーシェア
・期待年収:月3〜10万円(年間36〜120万円)
⑤投資・資産運用
・内容:株式投資、配当収入、不動産投資
・期待年収:投資額による(年間50万円以上も可能)
どちらを選ぶべきか?
結論として、
①安定を求めるなら継続雇用
②収入アップを目指すなら再就職や独立を検討
③副業を活用すれば年収アップが可能
特に、年収300万円未満で継続雇用する場合、「スキルを活かした再就職」や「フリーランス・個人事業主」といった選択肢を検討すると、より高い収入を得るチャンスが広がります。また、副業を組み合わせることで、収入を補いながら柔軟な働き方を実現することも可能です。
まとめ
定年後の働き方は、生活の質にも大きく関わる重要な決断です。自分のスキルや経験を見直し、最適な道を選びましょう。シニアの読者の皆さん、自らの体験や意見を投稿してらえると嬉しいです。
コメント