はじめに
日本の社会保険制度は、私たちの生活に欠かせない重要な仕組みですが、多くの人がその負担の重さを感じています。会社員でも自営業者でも、社会保険料は避けて通れないものですが、その仕組みや保障内容を詳しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか?本記事では、社会保険料の負担の仕組みと保障内容、そして日本で社会保険料の負担が重い理由について詳しく解説します。
社会保険とは?
社会保険とは、国が運営する公的な保険制度で、国民が生活の中で直面するリスク(病気、老後、失業など)に備えるための仕組みです。社会保険には主に以下の5つの種類があります。
①健康保険:病気やケガの治療費の一部を補助
②厚生年金保険(国民年金):老後の年金給付を支える
③雇用保険:失業時の生活を支援
④労災保険:仕事中のケガや病気の補償
⑤介護保険:要介護状態になった際の介護費用を補助
社会保険料の負担の仕組み
社会保険料は、基本的に労使折半(会社員の場合)または個人負担(自営業者の場合)で支払われます。
会社員の場合
会社員は、毎月の給与から社会保険料が天引きされます。代表的な負担の割合は以下の通りです。
①健康保険料:給与の約10%(労使折半)
②厚生年金保険料:給与の約18.3%(労使折半)
③雇用保険料:給与の0.3%〜0.9%(労使折半)
④介護保険料(40歳以上):健康保険料に上乗せ
例えば、給与が30万円の会社員の場合、実質的な社会保険料の個人負担額は約4〜5万円程度にもなります。
自営業者の場合
自営業者やフリーランスは、会社が負担する分がないため全額自己負担となります。
①国民健康保険料:所得に応じて変動(自治体により異なるが、年収400万円で月3〜4万円程度)
②国民年金保険料:定額(2024年度は月額約16,980円)
このように、自営業者の場合は負担がより大きくなる傾向があります。
65歳以上の社会保険料の負担
65歳以上の人も、一定の社会保険料を負担する必要があります。
①健康保険(後期高齢者医療制度)
・75歳以上の人は、後期高齢者医療制度に加入し、所得に応じた保険料を支払います。
・65歳~74歳の人は、引き続き国民健康保険または健康保険に加入し、保険料を負担します。
②年金保険
・65歳以上で厚生年金に加入して働く場合、給与に応じた厚生年金保険料を支払う必要があります。ただし、70歳を超えると厚生年金保険料の支払い義務はなくなります。
③介護保険料:40歳以上の人は全員、介護保険料を支払います。
・65歳以上の人は、年金額に応じた介護保険料が年金から天引きされます。
年金と給与収入の両方がある人は負担増
年金と給与収入の両方がある65歳以上の人は介護保険料の負担を重く感じている人が多いのでは?
65歳以上の人で、年金と給与収入の両方がある場合、介護保険料の負担が特に重くなる理由は以下の通りです。
①総収入に応じた介護保険料の増加
・介護保険料は、年金から特別徴収される仕組みになっています。
・さらに、給与収入がある場合、その総所得に応じて介護保険料の負担額が増加するため、結果的に負担が重くなります。
②所得に応じた負担増
・介護保険料は、自治体ごとに異なるものの、所得が増えるほど高額になる仕組みが採用されています。
・そのため、年金に加えて給与収入があると、高所得者とみなされ、介護保険料の負担がさらに増加するケースが多いです。
③高齢になるほど負担が増加する可能性
・介護サービスの利用が増えると、自治体の財政負担も増加するため、介護保険料の水準が上昇する傾向があります。
・ 65歳以上で働き続けている人にとっては、負担が年々増える可能性があります。
このように、65歳以上の人で年金と給与収入の両方がある場合、総所得に応じて介護保険料が高額になるため、負担が特に重く感じられるのです。
なぜ日本の社会保険料は重いのか?
①少子高齢化による負担増
日本は少子高齢化が進んでおり、年金や医療費の支出が増加しています。特に高齢者の増加に伴い、現役世代が支える年金制度の負担が大きくなっているのが現状です。
②給与に対する負担割合が高い
日本の社会保険料は給与に対して一定の割合で課されるため、収入が増えるほど負担額も増える仕組みになっています。また、天引きされるため、手取り額が少なく感じやすいのも負担感を強くする要因です。
まとめ
日本の社会保険料は、保障内容が充実している一方で、少子高齢化や国の財政問題により負担が増加しています。特に65歳以上の人にとっては、年金と給与収入の総所得に応じて介護保険料の負担が増えるため、特に重くなりやすい仕組みとなっています。
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