はじめに
以前働いていた会社は、いわゆる中小企業だった。
60歳で定年退職した後、再雇用で継続して働くことができた。
しかし、退職前の年収600万円から260万円に減額される。
世間では一般的に20%~44.3%下がることがあると言われている。
この会社はなんと50%以下の減額だ。中小企業だからだろう。
それでもほとんどの社員は再雇用を選んで残った。
ただ、幹部社員だった者は低待遇を嫌って退職する者もいた。
今回は再雇用か転職・再就職のどちらが有利かについて考察する。
再雇用
再雇用の期間は会社によって異なるが、
会社は少なくとも65歳まで再雇用可能な制度を整える必要がある。
高年齢者雇用安定法により、従業員が希望した場合は、
会社はその従業員を65歳まで雇用する義務があるからだ。
高年齢者雇用安定法は「定年の引上げ」「継続雇用制度の導入」「定年の廃止」
のいずれかの方法により、65歳までの雇用確保義務を会社に課している。
定年後再雇用は継続雇用制度の1つだ。
同法により、70歳までの就業機会を確保する「努力義務」も定められている。
就業機会確保の方法は「定年の引上げ」「継続雇用制度の導入」「定年の廃止」
だけでなく、「70歳までの業務委託契約」や
「社会貢献事業に従事できる制度」でもよいとされている。
再雇用か転職・再就職か
結論から言えば、再就職の方が良い。
再就職の方が給与が減額されない傾向があるからだ。
定年後の再就職とは、定年後にハローワークやシルバー人材センター、
または転職サイトや再就職支援サービスなどを利用して、
自分で職を探す方法のことだ。
メリットは、「新たな職種の選択肢」「新しい人間関係の構築」「65歳以上の勤務の可能性」などがある。
定年後に趣味を活かした仕事がしたい、やってみたい仕事がある場合、
再就職はチャンスといえる。また、新たに友人のできる可能性もある。
そして、再就職先によっては65歳以降や70歳以降も働ける可能性がある。
ただし、「就職の困難さ」は大きなデメリットとなる。
60歳以上の求人は限られているうえ、希望通りの仕事に就けるとは限らない。
仕事が決まらずに無給の状態が続き、生活に支障が出る可能性もあるからだ。
そのうえ、「雇用条件悪化の可能性」も考えられる。
仕事内容、賃金水準、勤務地が希望に沿わない場合もある。
どうしても新たにやってみたいことがある、
または趣味を活かしたいという意欲のある人なら、
再就職が向いているといえる。
しかし、希望通りの仕事に就けるとは限らないことには注意が必要だ。
私の場合、2024年1月31日から約1か月間、立て続けに12社に応募し、
そのうち6社は書類選考落ちだった。
レターパックで送った書類が到着したころ
速攻で不合格のメールを送ってきた会社もあった。
求人票のほとんどは年齢制限なし、と記載しているが、
実際には年齢制限を設けているところが多い。高齢者は注意が必要だ。
そのため、私は個人的には民間企業より、役所の会計年度任用職員への応募を奨める。
会計年度任用職員
会計年度任用職員とは、1会計年度内(1会計年度を超えない範囲)を任期として任用される、
最大2回更新されるため最大3年間は働ける。定年はない。
その後も公募に応募して採用される可能性もあり、更に3年間働ける場合もある。
一般職の非常勤(常勤者よりも労働時間が短い)公務員で、
業務繁忙期、欠員の発生時、人件費の効率化などの理由で、職員の補助として採用される。
これは、2020年の地方公務員法改正で創設された制度で、
任用後は、地方公務員法上の服務規定(職務専念義務、守秘義務など)が適用される。
おわりに
私は、ユーチューブの年金チャンネルを時々見る。路上で年金生活者にインタビューして、
年齢を聞いた後に、年金をいくらもらっているか?年金は何歳からもらっているか?
年金以外の収入、若いころに老後に備えて準備していたこと
などについて質問してそれに答えているもの。
年金だけでは生活できないと答えている人がほとんどだ。
ゆとりのある生活を送るためには、毎月平均「37.9万円」と言われている。
老後もゆとりのある生活を送り続けるためには
年金に加え毎月の収入(給与)は不可欠だ。
働いて不足分を稼ぐ。その仕事がやりがいのある仕事であればなお良い。
コメント