はじめに
30数年前に住宅ローンを借り、これまで毎月一定額を返済していましたが、この度、住宅ローンを完済しました。しかし、抵当権の登記は住宅ローンの完済によって自動的には消えませんので、抹消手続きを司法書士に頼むか自分で行う必要があります。今回は、抵当権抹消手続きを自分でやってみましたので、その申請方法やや経験談を紹介します。これから抵当権抹消手続きを自分でやる方の参考になれば幸いです。
管轄の法務局の出張所を調べる
不動産(土地・建物)の「所有者(登記名義人)の住所変更」や「抵当権抹消」の手続きは、不動産が所在する地域を管轄する法務局xx出張所(以下、登記所)で行います。
まず、対象不動産の住所から管轄する法務局を「管轄のご案内」(管轄のご案内:法務局 (moj.go.jp))をクリックして調べましょう。
銀行から抹消手続きに必要な書類を取得
住宅ローン完済後に金融機関から案内が郵送されてくると思いますが、自分で登記申請する旨を回答すれば
「解除証書」(登記原因証明情報)と「委任状」(代理権限証明情報)
が自宅に郵送されてきます。
○ 必要書類
・登記原因証明情報(解除証書)
・資格証明情報(代表者事項証明書、登記事項証明書など)※
(※:申請書に会社法人等番号を記載した場合は資格証明情報は添付不要)
・代理権限証明情報(金融機関からの委任状)
不動産登記情報(全部事項)を取得
登記情報提供サービスは、登記所が保有する登記情報をインターネットを使用してパソコン等の画面上で確認できる有料サービスです。一時利用登録をして、土地と建物の不動産登記情報(全部事項)を各一通取得しましょう。一通331円、二通で662円です。クレカで支払いができます。
登記情報提供サービス→登記情報提供サービス (touki.or.jp)
登記申請書を作成
申請書のフォームを法務局のホームページからダウンロードします。
法務局のホームページ法務局 (moj.go.jp):不動産登記の申請様式について
このページの下の方(不動産登記の申請書様式について:法務局 (moj.go.jp))
○抵当権抹消登記申請書
に申請フォームがあります。
Word形式でダウンロードして編集します。
申請書に書く内容は以下を参考にしながら、不動産登記情報(全部事項)に記載された各不動産の「不動産番号」「地番」「地目」「地積」「家屋番号」などを記入します。
・順位番号は、不動産登記情報に書かれている「抵当権設定」の「順位番号」
※今回、私が抵当権抹消する対象
・登録免許税(収入印紙)は1物件1,000円です。土地と建物の2物件で2,000円。
Wordやグーグルドキュメントなどで作成した申請書をプリンターで印刷します。
印刷後、忘れずに申請人の名前の右横に押印します。(認め印でOK)
白紙のA4用紙を登記申請書の後ろに重ね左側2ヶ所ホッチキスでとめて割り印します。この白紙に収入印紙を貼ります。このとき、収入印紙に割り印をしないこと。
登記識別情報の提出
登記識別情報については以下の手順で進めると良いでしょう。
①登記識別情報のシールを剥がす
登記識別情報通知書のシールを慎重に剥がし、隠されている番号を確認します
②コピーを取る
番号が確認できる状態で登記識別情報通知書のコピーを取ります
③封筒に入れる
コピーを「登記識別情報通知在中」と書いた封筒に入れ、中身が出ないように軽くホッチキスで留めます
郵送又は直接持参
私の場合、直接持参ではなく、以下の書類及び返信用レターパック520を同封し郵送で送付しました。
登録申請書(白紙に2,000円分の収入印紙を貼って割り印)、抵当権全部解除証及び抵当権設定契約書、委任状(自分の住所氏名を黒色ボールペンで記載)、登記識別情報通知(シールを剥いだ後のコピー)、返信用のレターパック520(宛先に自分の住所氏名と電話番号を記入)※簡易書留でもOK
※収入印紙は郵便局で売っています。平日夜間や土日祝日でも営業しているゆうゆう窓口で購入できます。
シールのはがし方
旧式の登記識別情報のシールは剥がしにくいです。剥がす際に破損してしまうことがよくあります。12桁の番号が分かればいいのですが、見えなくなるほど破損してしまうと再作成をしなければなりません。
・ゆっくり剥がす
とにかくゆっくり剥がしましょう。あせることはありません。
・剥がす前にシールを爪でこする
これが意外と重要です。いきなり剥がすよりシールを紙にしっかり押し付けることで剥がしやすくなります。
ちなみに法務局は必要のないときはシールを剥がすことをおすすめしていません。
・アイロンをあてる
剥がす前にシールをアイロンで温めると取れやすくなります。あまり熱くしすぎないようにしましょう。
これで、だいたいうまくいくと思います。
・それでも、ダメなら
どうしてもうまく剥がせない場合には、最終手段として、登記識別情報通知を持参して、管轄法務局に相談するのも手です。職員が剥がすのを手伝ってくれたりします。
・剥がせず、読み取り不能になったときには
ごくまれに、無理にシールを引っ張ったり、台紙にこびりついたシールの破片を取り除こうとこすったりした結果、登記識別情報の読み取りが不能となる場合があります。
この場合の救済方法として、登記識別情報の再作成という制度があります。
法務省の下記ホームページを参照してください。
法務省:登記識別情報通知書のシールのはがれ方が不完全である場合の取扱いについて(重要なお知らせ) (moj.go.jp)
まとめ
私の場合、レターパック520を使って、書類を送付し、その後、法務局から連絡はありませんでした。そして、投函して5日後、登記完了証が自宅に届いていました。これで抹消手続き完了です。これから抵当権抹消手続きを行う人の参考になれば幸いです。
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