若いころに戻れたらいくつに戻りたい
人は誰しも、戻りたい過去を抱えているのではないだろうか。ユーミンの曲には、「あの日にかえりたい」「卒業写真」「海を見ていた午後」「悲しいほどお天気」などと、青春時代を振り返る楽曲がたくさんある。
いずれも青春の頃に付き合ったり、別れた彼とのほろ苦い思い出を振り返った曲だが、それらの曲に親近感をおぼえるのは、わたしたちも、その曲と同じように過去の懐かしい想い出を抱えているからではないだろうか。
過去には思い出したくないことや、なかったことにしたいこともあるはずだ。しかしなぜか過去の記憶は、時間の経過とともに美化される傾向がある。
自分に都合の良いことしか思い出さないのは不思議だ。
さて、シニア世代の誰もが若いころに戻りたいと思っているとしても、もし戻ることができるならば何歳に戻りたいと考えているのだろうか。
そんなことを考えていると、ふと、あなたは何歳に戻りたいですか?という記事を見つけた。
20歳から89歳までの1550名への「もし、あなたが若い頃や昔に戻れるとするならば、何歳に戻りたいと思いますか?」という質問に対して、
●昔に戻りたいと考える人は86.5%、戻りたくない人は13.5%
●一番戻りたい平均年齢は16.63歳
という結果がでたとのこと。
一番戻りたいと回答された年齢層は「15ー19歳」で、全体の3分の1が高校から大学時代の時期に戻りたいと答えている。
では次に、男女別の「戻りたい年齢」は、
●男性の戻りたい平均年齢:16.43歳
●女性の戻りたい平均年齢:16.78歳
とのこと。
ちなみに、シニア世代では、
○60代の戻りたい平均年齢:21.4歳(60代回答者の平均年齢64.1歳)
○70代の戻りたい平均年齢:25.4歳(70代回答者の平均年齢73.1歳)
○80代の戻りたい平均年齢:14.6歳(80代回答者の平均年齢81.8歳)
であった。
ところで、専門家によると、人は過去の自分の出来事に関する記憶(自伝的記憶)を均一に覚えているのではなく、特に10代から30代に経験した事を強く覚えているという研究結果があるそうだ。
やはり多感な年代の頃の記憶は、甘酸っぱく物悲しいものだ。
一喜一憂しない
現実にはあり得ないが、仮に若いころに戻れたとした場合、私は若い自分に対して、「人間万事塞翁が馬だ。自分でコントロールできないことに一喜一憂するな。」と言いたい。
<人間万事塞翁が馬>
あるとき、飼っていた馬が逃げて敵地(胡)に入ってしまった。周りの人々は皆、気の毒がって口々に慰めたが、その老父は「いや、幸いがやってくるでしょう」と言う。それから数ヶ月して、逃げた馬が胡の駿馬を一緒に連れて帰ってきた。そこで人々が祝福すると、彼は喜ぶどころか、「これは災いを招くに違いない」と答えた。
その懸念が現実のものになる。彼の息子が落馬して、脚に大ケガをしてしまったのだ。周りは皆、かわいそうに思って慰めが、その父は「きっとこれは慶事でしょう」と穏やかに言ったのだった。
その1年後、胡人が大挙して侵入してきた。若者は弓を引いて戦うが、10人中9人が死ぬという悲惨な結果になってしまった。しかし塞翁の子は脚の傷害のため、戦乱に巻き込まれずに、生き延びることができた。
この故事は、人生の中で幸福や不幸は予想しようの無いという事を例えた話で、目の前に起きている事に一喜一憂してもあまり意味は無く、その繰り返しが起こるということを諭している。
若いころの一時の好調さに調子に乗らず、次に不調になったときに備えて今やるべき事をキチンとやっておくことがいかに大切か、シニア世代になった今頃になって感じる。
まとめ
無理は仕方ないが、無謀はダメ。
無理は「道理に合わないこと・実現が難しいこと・強いて行うこと」
無謀は「結果に対して深く考えず行動すること」
無理の先にあなたの幸せがあるのなら、それは進むべき道だ。
だがあなたが無謀と感じるなら、それは進むべき道ではない。
若いころを無駄にするな。若いころに戻れたら自分自身にそう伝えたい。
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