年をとるにつれ、今すぐ欲しいものなんて何もなくなった。それは自然の流れだ。
専門家によると、
〇高齢者になり、認知症などを患うと、「妄想」をいだくことがある。興味深いのは、性別によって妄想の種類が異なる点。男性は「妻が浮気している」という色欲がらみ、女性は「嫁に財布を盗られた」という物欲がらみが多い
とのこと。
私は、1958年生まれのオヤジだが、男は高齢になると不思議なことに本当に物欲がなくなる。しかし、女性は前述の専門家の意見のとおり物欲が強くなるようだ。
私は、今身の回りにあるものだけでもう一生満足だと思う。
しかしそんな私も若い頃は今すぐ欲しいものがたくさんあった。
衝動買いをしたことも・・・その時は今じゃなきゃダメだったのだ。
何を焦っていたのかは今となっては不明だが、なぜか欲しいものはすぐにでも手に入れたい衝動にいつも駆られていた気がする。
今すぐ大金を稼ぎたい。
今すぐいい女と出逢いたい。
今すぐ会社で認められたい。
なんでも欲しいと思ったものは今すぐ手に入れたいと思った。
それは全て人間本来の欲求だった。
人間の三大欲求とは、「睡眠欲」「食欲」「性欲」だが、若い時はそれらを満たしたい気持ちがとても強い。
しかし、もうこの年齢になると人間の三大欲求などを考える必要がない。
欲求を満たしてみても、それが一時のものであれば空しいことを知っているからだろうか?
年をとるにつれ自然に今すぐに欲しいものなど何も無くなってしまった。
お金も健康も女も・・・
お金に関して言えば、もう少し収入が多ければなという気持ちはあるが、じゃあいくらあれば足りるのか?と考えるときっとキリはない。
健康も今すぐ倒れるほどの病気は嫌だが、検査結果が全て正常でも、必要以上に長生きしそうでちょっと嫌だ。
女にいたっては今ごろ女優さんのような美人と出会ったとしても、周りからはもうパパ活としか見られないし、あっちの方も全く役立たないので馬鹿にされるのがオチだ。
仕事はまだやってはいるが、もう今以上に仕事が増えてもやる気の方がない。
収入が増えても支払う税金と保険料ばかりが増えて、ちっとも儲かった感じがしない。
今すぐにでも欲しいものがあるとするならば、強いてあげれば記憶力だろうか。
私はこれがなくなるのが一番怖い。実際に母(90歳)が認知症のため、殆どの記憶を失っている。母は80歳を過ぎるころまでは記憶力が良く、昔のことを細かいところまで覚えていた。
私は認知症になりたくない。せめて死ぬまでのことは記憶できる程度の記憶力が欲しい。
ところで現代人にとって、スマホは必需品だろう。誰もが四六時中スマホを携帯している。私も寝るとき以外一時もスマホを手放さない。
ただ、一度だけ、スマホを通勤電車の窓枠に置いてそのまま電車を降りたことがあった。降りた瞬間にスマホがないことに気づいたが時すでに遅し。ドアが閉まってしまった。
直ぐに鉄道会社に電話したところ、車掌さんが拾って預かっているとのこと、であった。よかったな~。日本人はみな親切、治安もよい。みなさんの中にもスマホを忘れて、大慌てした経験を持っている人はいますか?ちなみに忘れ物のダントツ一番は傘だそうですよ。
ところで、山の中で車をどこに駐車したか忘れてしまったことがある。
自分でも笑ってしまったが、笑った後で真顔になってしまった。
私は本当にバカになってしまったのか?と自分自身を卑下した。ののしり、バカにした。
その日は日中に山に登り、下山したものの、車をどこに止めたのか分からなくなってしまった。そんなことってある?あったんです。
しかも季節は秋、午後5時近くの阿蘇外輪山の一の峯登山口。周辺はだんだんと暗くなる中、不安になって110番してしまった。熊本県警の皆さんごめんなさい。110番に応答していただいた警察官に止めた場所を説明、警察官を派遣するということになった。
110番の電話を切った直後、林道を数十メートル下った空き地に私の車が止まっていた。
自分自身のバカさ加減にマジで呆れ返る。
すぐに110番に電話して、車が見つかったと説明、何のお咎めもなく、警察官から「良かったですね。」の一言。猛反省・・・。熊本県警の110番の係の方ごめんなさい。
詳細は次のブログ(山好き必見!阿蘇外輪山・一の峯と二の峯!分け入っても分け入っても青い山 (tomsamkun.com)をご覧下さい。
だから・・・
私が今すぐ欲しいものは記憶力だ。
そして覚えておきたいのはスマホや車の駐車場所だけではない。
家族と暮らした日々のこと。
愛犬とお散歩した日々のこと。
家族で旅行に行ったこと。
これだけは絶対に死ぬまで記憶しておきたい。
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