60歳で定年退職して、第2の人生を満喫する生き方は、もはや夢物語となってしまったのだろうか。
一昔前であれば、定年退職は60歳が一般的だった。今は一部企業では65歳まで引き上げられ、2025年4月からはすべての企業に「65歳への定年の引き上げ」「定年廃止」「65歳までの継続雇用制度」のいずれかが義務づけられる。
定年後も働きたい気持ちがある人々には、頼りがいのある施策だ。だが、定年後の現実は厳しく、すでに年金は65歳までは一円ももらえない時代に突入、資産を持たない者は「働かざるを得ない」国へと日本は突き進んでいる。
ニューヨーク・タイムズ紙は、契約社員として長年働いてきた男性の暮らしぶりを紹介している。
年金は国民年金の月6万円のみだ。住む場所によっては、家賃にも満たないだろう。生活のために、高齢になって体調を崩しても働かざるを得ない。そんな時代への入り口を、日本はゆっくりとくぐりつつある。
働かざるを得ない日本の高齢者の実態は、海外でも報じられるようになっている。
それでGDPが世界第3位って、絶対に何かが間違っている。
60代がいくら貯金があるのか。
60代の単身・独身の貯金平均額は、1,860万円。
60代の単身・独身の貯金中央額は、460万円だ。
老後に足りないと言われていた2,000万円にはほど遠い貯金額。
ただ、じゃあ2,000万円あったら足りるのかというと、それも実はよくわからない話だ。
なぜなら2,000万円という額は平均寿命で計算された金額だからだ。
昔の日本は平均寿命が短くて老後という時間がなかった時代もあった。
正直言って、賃金が上がらない今の日本で蓄えなんかできない。
ところで、今日、2023年4月15日(土)午前11時半ころ、和歌山市の雑賀崎漁港で、岸田文雄首相が衆院和歌山1区補選の応援演説会場に訪れた際、何者かが演説台に向かって筒状の物を投げ込んだ。筒は間もなく爆発し、白い煙が上がったが、首相は避難して無事だった。犯人は20代の若者だ。
昨年7月8日 11時31分頃、奈良県奈良市の大和西大寺駅北口付近にて、元内閣総理大臣の安倍晋三氏が選挙の応援演説中に銃撃され死亡した事件が思い出される。これも犯人は若者だった。
日本は平和のはずだ・・・、と思っているのは私だけか?
長い間の経済の低迷で、若者だけでなく老人たちも幸せそうには見えない。
老後のために蓄えなさいという論調も、こんなに長い間賃金が上がらない日本でどうやったら貯金ができるのか?
若いころから、自分の夢や趣味にお金を使わず、ただ老後の生活のために貯金をしろとでも言うのか。
だとすれば若者は夢を見ることすらできなくなる。
では今の60代(単身世帯)がどれくらいの貯金を持っているか、金額の分布一覧を見てみよう。
貯金なし 28.8%
100万円未満 8.8%
100~200万円未満 4.0%
200~300万円未満 2.3%
300~400万円未満 3.1%
400~500万円未満 2.1%
500~700万円未満 5.6%
700~1,000万円未満 5.6%
1,000~1,500万円未満 6.5%
1,500~2,000万円未満 4.2%
2,000~3,000万円未満 8.4%
3,000万円以上 17.7%
無回答 2.9%
平均額 1,860万円
中央値 460万円
という結果である。
これを見ると、全く貯金がないという人も約30%もいる。
そして、3,000万以上の貯金がある人は大体18%程度。
この一覧を見てみなさんはどう思うだろうか。
貯金が多ければ大いに越したことはないだろうが、自分がどの分布に当てはまるとしてもそれで安心と感じる人はいないのではないだろうか。
貯金が全くない人が明日死んだとしたら、お金が足りないと悩まずに済む。
ある意味、よかったということだ。
要するに長生きするからお金の心配をしなければならないわけで、早死にしたら何も悩む必要はない。
ところがこの一覧表で金額は別としていくばくかの貯金を持っている人たち。
そういう人たちは長生きしたらしたで貯金が足りるのか足りないのか大いに心配しなければならない。
長生きすればするほど貯金は減って心細くなっていく。
それが死ぬまで続くのだ。
じゃあこの人たちが明日死んだとしよう。
貯金が減るのを悩まずに済むからこれも早死にしてよかったということだ。
ただ、貯金を残したまま使いもせずに死んでしまったら、今度はそれが悔やまれる。
たくさん貯金を持っている人たちが、使わずに死んでしまうのはなんとも勿体無い話だ。
結局、貯金があってもなくても悩むってことだろう。
仮に60代で数千万円の貯金を持っていたとしても、働かないならば次第に少なくなり、最後は無くなってしまう。
厳密に言うと数千万円では足りない。
数億円持っているならば十分だろうが、普通の人では貯められない金額。無理だ。
だとすれば、いかに年金だけで楽しく生活をするかに尽きる。
いつ死ぬかもわからない長寿時代、なるべくお金のかからない趣味や楽しみを見つけておくようにした方がよいということだ。
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