はじめに
「天空の城」「日本のマチュピチュ」と呼ばれ、現在人気沸騰中の但馬の竹田城ですが、同じ山城として九州にも見逃せないお城があります。それは、大分県竹田市にある岡城です。岡城は、豊臣秀吉も絶賛したという難攻不落の城です。在りし日の姿を想像しながら、城址を散策してみてはいかがですか。まさに松尾芭蕉の名句「夏草や 兵どもが 夢の跡」を思い起こすでしょう。今回、ハロー自由時間パス(北部九州版)を使って大分県豊後竹田市に行ってきました。岡城跡の他、武家屋敷や滝廉太郎記念館などを紹介します。
岡城
岡城は、阿蘇山の火砕流でできた海抜325mの岩山の上に建つ山城「岡城」は、総石垣の難攻不落の堅城です。1185年に源義経を迎えるために築城されたと伝えられています。天正14年(1586)、島津の大軍が、大友氏一族の志賀親次の守る岡城を3度にわたり攻撃したものの落とせず撤退し、岡城は「難攻不落の城」として世に広く知られるようになったといわれています。
その後、大友氏が失脚すると、志賀氏に代わって、中川氏が岡城の城主となり、明治4年(1871)の廃藩置県により城を去るまでの277年間、岡城は中川氏の居城となりました。
アクセス
JR豊肥線「豊後竹田駅」からバスで5分、岡城バス停で下車。料金は150円です。
豊後竹田駅
豊後竹田駅(ぶんごたけたえき)は、大分県竹田市大字会々にある、九州旅客鉄道(JR九州)豊肥本線の駅です。駅前やホームから落門の滝が見れます。また、駅内に竹田観光案内所があり、市内観光の拠点となっています。案内所において、城下町文化施設共通観覧利用券(高校生以上800円、小中学生500円)を購入することを勧めます。
駅前バス停
平日10時45分と11時45分発の一日2便です。ただし、土日祝日には岡城迄のシャトルバスが運行されています。
岡城バス停
岡城駐車場
総役所(受付)
総役所は、岡藩の行政機関・裁判所としての機能を持っていた施設で、藩内からの様々な案件を処理していた場所でした。現在は、駐車場及び来城者の受付として使用されています。
急峻な石段に沿って、緩やかな木製階段が設置されています。
大手門
大手門は、城の正面玄関です。大手門の石垣上には櫓が渡されており、櫓上から敵を攻撃できるようになっていたそうです。
西の丸跡
西の丸は、三代藩主中川久清の隠居後の住まいとして御殿が造営されたそうです。西の丸には、御殿のほかに馬場や庭園等があり、城内で最も広い場所となっています。西の丸を訪れた時には、遠足でしょうか、100人以上の高校生がジャージ姿で集まっていました。
太鼓櫓(たいこやぐら)跡・鐘櫓(かねやぐら)跡
太鼓櫓は岡城の中心部への入口で、城内で最も重要な門でした。2mほどの巨石を「切込接」という石積の技法を用い、隙間なく積まれた石垣は、藩主の権威の象徴であり、岡藩の石積技術の高さが伺えるものとなっています。太鼓櫓内には太鼓が設置され、城内に時を知らせるために太鼓が打たれていたそうです。
二の丸跡
二の丸は、月見櫓や御風呂屋など、特徴的な機能を持つ建物が建てられていたそうです。現在は、来城者のための休憩所が建てられています。
瀧廉太郎像
瀧廉太郎の銅像は、少年時代に廉太郎と同じ学校に通っていた彫刻家の朝倉文夫によって昭和25年に作られました。廉太郎は、少年時代に遊び場にしていた岡城をモチーフにして、名曲「荒城の月」を作曲しました。
銅像の裏側には、朝倉文夫が、自分の少年時代に廉太郎が学校の裏側にあたる岡城で尺八を演奏していた思い出を思い起こしながらこの銅像を制作したというエピソードが刻まれています。
本丸跡
本丸は、岡城中心部の最も重要な場所であり、中央部には藩主の住まいとなる本丸御殿が建てられていました。
今は、岡城天満神社の社殿と鳥居が本丸跡に移設されています。岡城が国指定史跡に登録されると登城者も増え、昭和三十年 (1955年)、元の本丸跡に遷座されたそうです。
中心部に中川氏の家紋、その周りに絵が描かれています。
武家屋敷
旧竹田荘
南画家田能村竹田の住まいです。
歴史文化館・由学館
竹田市歴史文化館・由学館は、岡城跡と旧城下町を一つの大きなミュージアムととらえた、まちづくりと融合した博物館です。館内には、岡城跡について楽しみながら学べる「岡城ガイダンスセンター」、岡城や岡藩、田能村竹田と豊後南画などの特別展示を行う「特別展示室ちくでん館」、市民の文化芸術活動の発表の場である「市民ギャラリー」があります。隣接する田能村竹田の旧宅、「旧竹田荘」と一体化した施設として、竹田市の歴史・文化・芸術の魅力を発信しています。
廉太郎トンネル
歩くと「荒城の月」などのメロディが流れてきます。
滝廉太郎記念館
滝廉太郎が12歳から14歳まで家族で住んだ家です。
離れの2階が廉太郎の部屋でした。
佐藤義美記念館
竹田出身の童謡詩人、「「いぬのおまわりさん」の作詞者として知られる佐藤義美の書斎が復元、展示されています。
竹田温泉花水月
竹田温泉花水月(はなみずき)の温泉館では日本で初めての『マイナスイオン』還元浴槽があり、肌荒れやアトピー性皮膚炎の方や女性に大人気です。
まとめ
竹田市内中心部には日本百名城の一つ、国指定史跡 岡城跡があり、その眼下には武家屋敷通りなど城下町が古の面影を残しています。また、世界有数の炭酸泉と称される長湯温泉をはじめ、市内にはいくつかの泉質が違う温泉や、日本名水百選に選ばれた竹田湧水群も湧出しています。
こじんまりした観光地ですが、古い町並みも一部保存されており素敵な城下町で一見の価値ありと思います。一度訪れてみてはいかがでしょうか。
次のランキングに参加しています。クリックしていただければ大変うれしいです。
世界遺産の旅
コメント